嚥下障害を持つ人にとって、適切な食事形態が求められることは言うまでもありません。
病院や施設にいる間は栄養科などと相談していけばよいのですが、「いざ在宅へ」となった時に食事が問題になることは多くあります。「一人だけミキサー食にするのは手がかかる・・・」
「するのはいいけど、どうやって作ればいいか分からない・・・」
「毎日同じように作れるか不安・・・」 こういった声はよく聞きます。
手に入れやすいレトルト食品などは、「よろず屋」で紹介していますが、ここではベーシックな食材について紹介します。なお、本ページのコメントはあくまでも管理人が試食した範囲での個人的な感想です。
実際の使用感では、また違うことがあるかもしれません。
そのあたりはご了解ください。
左から、トマト・サバ・かぼちゃです。
市販のレトルト介護食などと違い、この商品にはなんの味付けもしてありません。
つまり普通の食材を、単に裏ごしして固めたような状態です。
硬さは舌でつぶせる程度の、いわゆるソフト食くらいです。
上の3つを使う場合には、
トマト→→→そのまま解凍。上からマヨネーズやドレッシングで味付け。
サバ→→→→上からトロミをつけたダシ汁をかける。
かぼちゃ→→レンジでチンして、ダシをかけて煮物に。
などのちょっとした味付けや調理が必要になります。
介護食を作る場合、一番手間がかかるのはミキサー食だと思います。
業務用のブレンダーなどがあればずいぶん違うと思いますが、繊維の多い野菜(特に葉物など)の加工はかなり大変と栄養士さんも言っていました。
そんな時に、あると便利な食材だと思います。
食材も上の3種以外にもかなり豊富です。
ちなみに購入にあたっては、直接上記メーカーに問い合わせていただくほうが良いようです。
当院で対象の方が出た際には、問い合わせの上営業の方にデモをお願いしました。
<スベラカーゼ>・・・株)フードケア
病院や老健などでは、全粥・5分粥・3分粥・ミキサー粥・重湯などと、お粥の形態が分かれているところが多いと思います。
嚥下障害のある人にとって水分の多い5分や3分はあまりオーダーすることもなく、かといってミキサー粥はベタベタと糊みたいになることが多いのが困り物でした。
そのため副食がミキサーの方にも、全粥を出していることがあります。
そんな中、栄養士さんが「STさんの意見を〜」と言って持ってきたのが、この商品でした。
これを使うと、ミキサー粥がソフト食みたいになります。
のどごしもよい感じ。 ベタベタ感がなくなりました。
「これなら今すぐにでも全粥から変更したい人が何人かいる」と、感じました。
当院でも色々な意見が出て検討を重ねた結果、最終的に導入することが出来ました。
お粥の食形態の幅が出たことで、正直、非常に助かっています。
ちなみに、「調理の際に、あったかいまま使える」「お米の味がしっかりする」などが栄養士サイド、食べた感想として高評価でした。
一方、「増粘剤のように、利用者の食事の場で調整できれば・・・」との意見もありましたが、やはり「固めるのには熱を加える必要があるので、普通の造粘剤のようには使えない」ので、調理段階での調整になってきます。
本商品とは離れますが、様々な食材への対応を考えていく上では、増粘剤の中からもこのような応用範囲の広い物が出てきて欲しいと感じさせられました。