アイススティック

   アイスマッサージを日常的に訓練で行っている方は多いと思いますが、アイスマッサージの棒(以下、アイス棒)には、どのようなものを使っているのでしょうか?
 このページでは2種類のアイス棒を紹介しつつ、その比較を行いたいと思います。
 
 <比較対象と作り方>
A.綿棒  B.スポイト


A.綿棒(約15cm)
  綿棒を水に浸して、冷凍庫に入れる。

B.検査用スポイト(約20cm)
  1.水を先端部分に入れる(口を押さえて振ると、先端部に落ちます)。
    口の部分を燃やして溶けたところを、舌圧子などでつぶして密閉する。それを冷凍庫に入れる。(下図参照)
    *首の部分が太いと、溶けてきた水が口のほうに落ちるので、細いスポイトを使う。

スポイト作り方

  2.口の部分を溶かすのではなく、接着剤を詰めてふさぐ方法もある。

 <アイスマッサージの目的>
  ・嚥下反射の誘発
  ・口腔内を潤す
  ・基礎訓練
  ・食前の準備体操
    *これらについては、綿棒・スポイト共に満たす事ができると思われる。

 <綿棒とスポイトの違い>
  ・水分が密閉されているかどうか
  ・素材の違い

 <それぞれの特徴>
A.綿棒
  ・口腔ケアの道具にできる
  ・使い捨てにできるので、衛生面の問題が少ない
  ・水分を含ませることで、直接的嚥下訓練につなげられる ⇔誤嚥する危険性あり!
  ・そのまま水に浸して冷凍庫に入れるだけで、作成が容易
B.スポイト
  ・咀嚼の練習に使える(かなりの力でかんでも、破れることはほとんどない。溶けていても使用可能)
  ・咬反射の強い人にも使える
  ・洗浄することで、各個人に対しての繰り返し使用が可能 ⇔衛生面の問題あり!
  ・繰り返し使用が可能なので、在宅の自主トレ用に1本渡せばすむ
  ・作成する為には、スポイトの口を溶かす、または接着剤で詰めるなど、密閉させる作業が必要

 <使い分け>
A.綿棒
  ・多少の水分を口に含ませても大丈夫な方
  ・口腔ケアの目的も持たせたい方
  ・MRSAなどで繰り返し使用を避けたい方
B.スポイト
  ・わずかな水分でもむせなどの起こる方
  ・咬反射が強く出る方
  ・咀嚼訓練をしたい方
  ・在宅で使いたい方
C.どちらでも
  ・食事前の準備体操として使う
  ・認知症などで口に食べ物を入れたまま止まってしまう方の咀嚼、嚥下の促進


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