主は怒りを以って師を興すべからず、将は慍りを以って戦いを致すべからず
(しゅはいかりをもってしをおこすべからず、しょうはいきどおりをもってたたかいをいたすべからず)
 王も将軍も怒りにまかせて戦争を起こしてはならない、ということ。

 感情を満足させるために、国の存亡を左右するような戦争をしてはならないということです。
 言われればその通りですが、意外に「威信」や「プライド」のために、戦争とは言わないまでも無益なことをしていることは多いのではないでしょうか。

 所属から代表1名が出るような会議。
 同程度の役職が2人いた場合、1人だけ呼ばれることに納得がいかず、いつもくっついていくような人がいます。
 同じ職場ですから、それほど意見の隔たりがあるわけでもありません。あったとしても、そのような場では仲間割れするわけにもいきません。
 所属としては2人も人数が減って大変になり、特に会議に2人出たからといって何が変わるわけでもない。
 ただ、「私をないがしろにさせない」というプライドを満たすためだけに、無益どころか有害なことをしているのです。

 偉くなればなるほどプライドも高くなり、怒りも大きくなるので、それに振り回される行動が増えがちです。
 行動できる選択肢の中でもっとも有益なものは何か、考えることが必要でしょう。

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