その無備を攻め、その不意に出ず
(そのむびをせめ、そのふいにいず)

 敵を攻めるときには、相手が予想もしないところ、予想もしないタイミングを狙え、ということ。やはり、兵は詭道なりに続く言葉で、勝つための方策を述べています。

 2005年の大河ドラマにもなっていた「義経」は、一の谷の戦いにおける逆落としなど奇襲戦法を得意としていましたが、これなどは兵法から見ると理にかなった戦い方といえます。

 会議の席で、時々見られること・・・
 議題との関係はあっても、本筋ではない話題に論点を持っていかれ、唖然としているうちに会議が進み、気づくとその人のペースに。こちらが相談したかったことや、決めたかった話題はなんとなくはぐらかされている。そんな経験はないでしょうか?
 相手(この場合はこちら)の意図にない方向に会議を持っていき、あっという間に会議全体を乗っ取ってしまうやり方、「たぬき」と呼ばれるような、老獪な方が都合良く用いるように思えます。

 逆に言えば、会議の席でこちらの要求を通すときには、正攻法・正論を述べるだけではなく、周囲を煙に巻きつつ、なんとなく通してしまうテクニックも必要なのかもしれません。

「戻る」
inserted by FC2 system