善く兵を用うるものは、役、再籍せず、糧、三載せず
(よく、へいをもちうるものは、えき、さいせきせず、りょう、さんさいせず)

 戦争で国が疲弊するのは、兵士や軍需物資を輸送するからである。だから優れた将軍は輸送を何度も行うことなく、一度で終わらせる、ということ。

 国の財産である兵士や物資にあたるものは、個人にとってはなんでしょうか?
 それはお金などの物理的な財産に限らず、知識や経験、信用、時間などの目に見えない物も含みます。そして、輸送とはその使い方とも言えます。
 知識や経験を増やしていくことも大事ですが、それらをどのように使うかも同じくらい大事ということです。

 「知ったかぶり」という方々がいます。大抵嫌われることが多いようですが・・・。
 この方たちは、ひけらかすぐらいですから知識の習得には非常に熱心です。しかし、どうでもいい時に、安易にひけらかし過ぎなのです。
 せっかく得た知識を、充分に深めないまま小出しにするので、突っ込まれては行き詰まり、その話題で引っ張れるほどのバリエーションもない。この「底の浅さ」を周囲に見破られ、信用という名の財産を削り、嫌われていくのだと思います。

 努力をして得た知識を安売りすることなく、その知識が必要とされるタイミング、場所を効果的に狙って「一発」披露してこそ信用という名の財産も積み上がるのではないでしょうか。

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