以って戦うべきと、以って戦うべからざるとを知る者は勝つ
(もってたたかうべきと、もってたたかうべからざるとを、しるものはかつ)

 長い文のなかの一節です。一言で言えば、現場のことは現場の人間に任せとけ!ということ。

 この節自体は今戦うべきなのか、退くべきなのかの判断は、戦場にいる司令官が一番確実である。それを後方いる王や大臣が決めてしまい、横槍を入れるようでは勝てない、ということを言っています。
 これに似た状況は誰でも経験し、歯がゆい思いをしたことがあるのではないでしょうか?

 その昔、アルバイトで派遣のウエイターをしていました。
 あちこちのホテルや結婚式場に派遣され、多くのカップルの門出に立ち会う機会に恵まれました。そのなかで聞いた話です。

 結婚式には多くの思惑が入ってきます。
 当事者である二人、両家の親、親戚一同、などなど。
 披露宴の打ち合わせも進み、納得のいくものに落ち着こうとしていたカップル。その上で親戚、両親にも相談をしました。
 その途端、挨拶や出し物のリクエストを追加され、断ることも難しい状況に陥りました。披露宴のプランももう一度建て直しです。
 いざ式に向かおうとするその控え室で「こんなはずじゃなかった」と嘆いていた方がいました。

 人生の先輩からの言葉には確かに一理もニ理もあるのかも知れません。
 が、時にはそれを取捨選択することも成功には必要なことだと思っています。

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