彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず
(かれをしり、おのれをしれば、ひゃくせんあやうからず)
 敵と自分の戦力について充分な分析がなされていれば負けることはない、ということ。

 かなり有名な言葉ですし、なんとなく聞いたことがある人も多いかもしれません。
 ここでの「知る」には、完璧な客観性と多面性を求められています。
 特に自分の評価については甘くなりがちだったり、希望的な観測が入りやすいもの。なかなか難しいことですが、自分の短所も相手の長所も認めた上での比較が必要ということです。

 これは営業をしていた当時、常に頭に入れておくようにしてました。
 どんな商品であっても長所、短所はあるものです。
 売ったらもうお客さんと会わずにすむような営業であれば、いいところだけを見せて買わせてしまえば(騙し?)すみます。
 しかし扱っていたのは、その後も継続的な関わりを持つような商品でしたので、あえて欠点も見せていました。その上で他製品との比較をして購入いただくことが多かったです。

 ありがちなのは、「ちょっと値段は高めだけども、その分、性能ははるかに上」というような口上でしょうか。
 逆にいえば、そこを理解してくれるお客さんだと思うからこそ、このような比較の説明も生きるわけで、同様な商品同士の性能、お客さんの要望、自分の会社とお客さんの関係、多くのことを計りにかけながら営業しておりました。

 欠点がありながらも勝ち抜く方法。その第一歩は、それを認めることと思います。

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