勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む
(しょうへいはまずかちて、しかるのちにたたかいをもとめ、はいへいはまずたたかいて、しかるのちにかちをもとむ)
 勝つとは戦を始める段階ですでに勝った状態を作っておいた結果であり、負けるとは戦を始めてから勝つ態勢をつくろうとした結果である、ということ。

 始計篇の「算多きは勝ち、〜」とほぼ同意味でしょう。始計篇では戦全体の勝利について大局的に述べ、開戦後の局地戦での勝利について軍形篇で述べています。
 大局と局地、規模は違っても基本が同じであることが分かります。

 やはりウエイター時代の話。
 結婚式などの宴会形式であっても、皿を先ず配り、その後から料理を取り分けするスタイルのところは多くあります。
 うがった目で見ると、ウエイターの腕はその動きで分かります。
 腕のいいウエイターが担当するテーブルでは、自分のテーブルだけではなく会場全体の料理の進み具合、進行具合を見てタイミングよく皿の用意をし、料理を持ってきてサービスしています。
 不慣れなウエイターは、自分のテーブルが精一杯で、会場の流れについていくことができません。人に言われて、もしくは他のウエイターの動きを見て、今からやるべきこと(皿を持ってくるなど)に気づくので、常に遅れてバタバタしています。その途中でドリンクのおかわりなどを頼まれたら、もうパニック。他のテーブルが食べ始めた後に、サービス開始で少し冷め気味ということもしばしばです。
 タイミングが悪いといえばそれまでですが、腕のある人はいつでも動ける態勢を作っているので、サービスに余裕があります。
 最初の時点での遅れはなかなか取り戻せるものではありません。

 料理を運ぶだけと思われがちなウエイターですが、その裏では色々な技術も必要なのです。

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