善く戦うものは、その勢は険にしてその節は短なり
(よくたたかうものは、そのせいはけんにして、そのせつはたんなり)
 戦上手の戦い方とは、勢いに乗じた一瞬の瞬発力で、一気に攻める、ということ。

 同じ文の中で、せき止められた水が放出されるときの勢いを挙げ、弓を強く引き絞って放つ様子に例えています。

 私は格闘技を見るのが好きでして、最近は会場に行くことはめっきり減ったものの、テレビではほぼ必ず見ています。
 格闘技好きな人なら、この言葉はよく分かるのではないでしょうか。
 チャンスをつかんだ一方が攻めにまわる。その時に、きちんと勝負をつけられないと、少し休んで息を吹き返した相手に返り討ちにあってしまう。こんな場面はよく見られます。
 また動物が獲物を狩るときにも、最初に組み伏した時に息の根を止めきれず、逃げられてしまうという場面をテレビで見たことがあります。

 このように「勝機を逃がさない」ための瞬発力の大事さを伝えるとともに、いつまでも勝機はないから、早く勝負をつける必要性を示唆しているように思います。

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