勇怯は勢なり。彊弱は形なり
(ゆうきょうはせいなり。きょうじゃくはけいなり)
 長い文のなかの一節です。混戦の中で個人、軍団が勇ましく働くか怯えるかはそのときの勢いによる、個人、軍団として強いか弱いかはそのときの態勢による、ということ。

 文全体を通すと次のように言っています。
 混戦の中ではちょっとしたきっかけで、勇怯、強弱などの状態は変わる。だから優れた将軍は、統率が取れて安定した強さを持つ相手と対するときには、混戦にして崩れのきっかけを作るために、相手が誘われたくなるようなえさをうまく仕掛ける。

 話し合いの中で出した意見の賛意が得られず、旗色悪く孤立したような経験はないでしょうか?
 そのような状態では、他の議題に関して意見を出そうとしても、場の雰囲気は前の状態を引きずっているため、なかなか賛意は得にくいものです。
 一度出来上がってしまった関係を崩すにはどうするか?打開策は混戦状態への誘導です。
 Yes/Noではっきり答えが出るような議題を続けてしまうと、否定感情が継続するのでうまくいきません。
 あいまいな議題や、「どうでもいい」議題に話し合いの方向を一度すりかえてしまうのです。

   「たとえば誰が責任者をとるか」というような議題は、意見に対する賛否もはっきり出ます。その後に続けて、実行者は、お金は、というような話題を続けてもスタートで躓いた場合、自分の意見は通しにくくなると思います。
 そのような旗色の悪さを感じたら、キャッチフレーズをどうするか、昼食の弁当は何にする、といった本筋ではないけど気になるような話題で場の雰囲気を中和することで、改めて自分に有利な場の雰囲気を作り直すことを狙います。

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