攻めて必ず取るはその守らざる所を攻むればなり
(せめてかならずとるは、そのまもらざるところをせむればなり)
 攻撃したときにいつも勝てるのは、相手の守備が薄いところを攻めるからである、ということ。

 相手の弱点をつく方が、勝ちやすいのは当然です。
 では、どうして敵はそこを守っていないのか。それは、こちらがどこを攻めようとしているのかを相手にわからせないようにしているからです。
 そこに、虚々実々の駆け引きがあり、こちらが何をしようとしているかを悟らせなければ、向こうは対策の立てようがなく、無策の相手に勝つのは容易になります。
 つまり、実際に戦が始まる前の心理戦、頭脳戦で優位に立つことを特に重視しているのです。

 会議中にも、何を考えているかつかみづらい人たちがいます。
 中には本当に何も考えていない人もいます。一方ではいろいろ考えつつも表に出してこない人もいます。
 考えてない人たちは置いといて・・・
 いろいろ考えながらも表に出してこない人たちは、一度話し出すと鋭い意見や説得力のある言葉をはく人たちが多いような気がします。
 自分の意見を言うのに忙しい人たちは冷静に場の状況を観察しきれず、話しているうちに少し論点がずれてしまったり、 論理に矛盾が出たりして、足元をすくわれるのはよくあることです。
 観察している人たちは自分の意見はなかなか出さないので、自分の論理の穴も見せずにすみ、主張がどこにあるのかも周囲には見えません。一言、結論的なことを言って終わったりします。
 そのため、あの人は鋭いな。という感想を持ちがちですが、後から冷静に振り返ると実は穴だらけなこともあります。

 会議の場での勝利には、自分の手の内を見せないことは大きな技術ですし、反対にそうされそうなときには、観察を許さない状況に持ち込むのも技術だと思います。

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