兵を形するの極は無形に至る
(へいをけいするのきわみは、むけいにいたる)
 最も優れた戦争態勢を求めると無形になる、ということ。

 無形であることのメリットは2つあります。
 一つは相手の状態に合わせて柔軟に態勢を作りかえられること。もう一つは相手がこちらを探ろうとしても、無形であればなにも探り出すことはできないことです。

 組織のありようで考えると、よく分かると思います。
 部署、部門ごとの役割が細分化され、組織としての形が確立しているところには強みがあります。
 一つの問題に対処するところが決まれば、他の部門に影響が出ることがなく、専門化していくことで、迅速・適切な対応が取れるようになります。
 一方で、それが進むことでの弊害が起きます。自分に関係ないところには興味がない、分からない、という状態を生み易いことです。
 そのため部門をまたがる問題になると、責任の押し付け合いが始まったり、対処できなくなったりします。パターン化されたことには強いが、イレギュラーな問題には弱くなります。
 縦割り行政がいい例です。問合わせをするとたらい回し、なんてことが良くありました。
 ある程度の型を持ちつつも、あいまいな部分を残しておく、それが柔軟な組織のあり様です。

 わが身を振り返り、病院はどうでしょう。専門という名の縦割りにはまりがちです。
 いかにそこから抜け出すか。自称「垣根を越えて」、自分の部屋を飛び出して病院の中をうろつき、他の部門にお邪魔していました。他からは「いつも関係ないとこにいる、仕事してない」と呼ばれる結果に・・・

「戻る」
inserted by FC2 system