迂を以って直となし、患を以って利となす
(うをもってちょくとなし、かんをもってりとなす)
 遠回りしていても直線で向かった敵より早く到達し、不利な点も有利に変えてしまう、ということ。

 単純に考えれば直線で向かうほうが勝つのはあたりまえですし、有利なほうが勝つのもあたりまえです。
 当然相手もそう思い、安心し油断しています。
 それを相手に分からないように策を練ることで逆転(迂直の計)。勝つと思っていた相手の精神的なダメージは大きく、与えたダメージはその後の戦いにも生きてきます。
 昔話で言う「ウサギと亀」ですが、それをウサギの自発的な昼寝に期待するのではなく、意図的に自分が勝つ状況を作る、昼寝をさせてしまう策を用いなさい、というのが孫子の考え方です。

 プロフィールで書いている通り、STという仕事を志す前には数年間、普通の企業で営業として働いていました。
 その当時は、数年後にこんな仕事をしているとは予想もしていませんでしたし、その存在すら知りませんでした。
 高校または大学卒業時点からこの世界に入ったほうが、STの経験という意味では深められたのかな?とも思います。
 しかし社会を経たことで見られる、気づけるようになって、臨床や働く上で役立っていることが多くあります。
 回り道して入ったこの道、その回り道が結果としての「迂直の計」につなげられればと思います。

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