用兵の法は、その来たらざるを恃むことなく、吾の以って待つ有ることを恃む
(ようへいのほうは、そのきたらざるをたのむことなく、あのもってまつあることをたのむ)
 戦争をする際には、敵が襲ってこなければいいと期待するのではなく、襲うことができないような備えをして相手に断念させる、ということ。

 希望的な観測の排除を強く述べています。
 事態が悪化するのはけっして周囲の環境や人のせいではなく、自らの備えが足りないということです。

 会社の業績で言えば、景気に左右されるのは企業努力が足りないから。
 個人レベルで言えば、人に非難されるのも、足元をすくわれるような隙を見せたから、ということになります。
 そう考えると何もできなくなりますが、何もしなければしないでそれは非難の的となります。

 至らぬところ多く、これまでに何度となく足元をすくわれています。
 その時の対処の仕方に、この言葉は生かそうと心がけています。
 軽はずみな発言・行動で非難を受けることが多いのですが、その時に開き直って「向こうが悪い」としたのでは同じ失敗を繰り返すでしょう。
 相手がどうこう言うのではなく、自分の発言・行動のどこに対して相手が攻撃してきたのか、どこに落ち度があったのかを分析することが必要です。
 その結果似たような場面で同じ事をしなくなり、相手はこちらの足元をすくう機会が無くなっていきます。
 最終的にこちらを非難するところがまったく無くなれば、交渉などは自分の思惑で進むか、少なくとも有利に働くはずです。
 その域に達する日がくるかどうかは、怪しいところですが・・・

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