必死は殺さるべきなり、必生は虜にさるべきなり
(ひっしはころさるべきなり、ひっしょうはとりこにさるべきなり)
 死を覚悟して戦いに臨めば討ち死にする、生き残ることばかり考えていれば捕虜になる、ということ。

 上記の2つの他に、短気で怒りっぽければ相手の術中にはまる、清廉潔白だと相手の挑発に乗る、思いやりを持ちすぎると心労でまいってしまうと述べています。
 これらの5つは将たる者が陥りやすい危険であり、戦争の妨げになるから気をつけなければならないといっています。
 要は一つの価値観にこだわらないバランス感覚が、人の上に立つ人間には必要だということです。

 上司にこの5つのこだわりを持つ人間がくると大変です。
 対等、あるいは下の人間ならば、距離を置く、それなりの指示を与える、といったことで対処も可能です。
 しかし、上司ではそうもいきません。

  ・休みも無く成果のみを追及されても大変。
  ・楽することばかりを考えていては成果も上がらず、自分の評価も上がらない。
  ・思いつきで行動していれば、いつか他から足をすくわれる。
  ・建前や体面ばかりを気にしていては、そこを相手に利用され仕事を押し付けられる。
  ・人に気を使ってばかりでは、他からなめられていつも悔しい思いをする。

 そんな経験と不満は多くの人が経験しているのではないでしょうか?

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