これに令するに文を以ってし、これを斉うるに武を以ってす
(これにれいするにぶんをもってし、これをととのうるにぶをもってす)
 部下を指導するにあたっては「文(暖かさ)」をもって行い、実際に命令・統制するにあたっては「武(厳しさ)」をもって行う、ということ。

 部下を生かし、掌握し、組織を強くしていくにあたっての心得です。
 「飴とムチ」とも言いますが、なあなあでもなく、恐怖されるでもなく、適度な距離とけじめをとった関係について述べられています。
 実際の関係においては非常に難しく、逆になっているケースも多くあるように思います。

 実習生の指導も多いのですが、同僚の中には実習生に対して鬼教官と化していたのが、卒業し一緒に働き出した途端、掌を返したように気を使い出す方がいます。
 孫子とはまったく逆の態度です。
 同僚という立場になれば利害関係が複雑になり、学生を相手にするほど強く出れないのも分かります。
 が、教えられたほうにすればその豹変ぶりには唖然とし、上司・先輩としての信頼も崩れ易い感じがします。

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