直感的な手続き1

 ここで取り上げる教材は「持ったものの形や色を認識〜当てはまる場所を探す〜入れる」などの、単純な課題です。
 しかし、その裏には自分の持っているものと別のものの関係性を見つけるなどのいくつかの要素が入ります。
 そのため、重度な認知の問題がある方の練習用によく使います。


<型はめ系>

ペグの使い方
ペグ
 単純な使い方としては、全てあるいは一部を残して抜いたものを一人で入れていただきます。

 その際の観察ポイント(予測される障害など)としては・・・
 @一人で進められるか?(遂行機能や覚醒度、注意の持続など)
 A見落としがないか?(色の認識や半側無視、注意の配分など)
 B入れ方が効率的に行われているか?(遂行機能や作業能力など)
 C穴の残る位置や抜いたペグを置く位置などによって、過程や結果が変わるか?(遂行機能や注意の転換、半側無視など)
 D数日にわたって行う場合の手続きの定着は?(学習能力や記銘力など)
 Eスムーズに入れられるかどうか?(失認や半側無視、目と手の協応、作業記憶など)

 これらを元に他のテストバッテリーで精査を行ったり、課題を通した機能回復や失敗しにくい方法の検討を行います。

 少し応用的な使い方としては、「あらかじめ入れる色の順番を指定する」「見本どおりに色を並べる」などの複数の手続きを組合すことで難易度を上げていくことができます。

 ペグにおいては、「色と平面的な空間」が作業における基本的な要素になります。
 リングさしでは、「色や形と垂直方向への空間」が基本的な要素になります。
 型はめでは、「基本図形やイラストの認識と平面的な空間」が基本的な要素になります。
 これらは「抜かれたものを元に戻す」ルールが共通で、認知の要素が違います。
 この作業過程を比較することで、評価などにつなげています。

  →「ペグで起こる間違いと対応」については、→こちら

              

        

 ここから先のものは、型はめの応用系です。
 2つの組み合わせで1つの形を作るものは、完成形をイメージするための予測能力と構成力を必要とします。
 立体型の型はめは、見えない場所を予測することや遂行機能などに関わってくると思われます。

       


「教材目次」
「表紙」
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