ここで取り上げる教材は「持ったものの形や色を認識〜当てはまる場所を探す〜入れる」などの、単純な課題です。
しかし、その裏には自分の持っているものと別のものの関係性を見つけるなどのいくつかの要素が入ります。
そのため、重度な認知の問題がある方の練習用によく使います。
その際の観察ポイント(予測される障害など)としては・・・
@一人で進められるか?(遂行機能や覚醒度、注意の持続など)
A見落としがないか?(半側無視、注意の配分など)
B効率的に行われているか?(遂行機能や作業能力など)
C曲がる場所や数などによって、過程や結果が変わるか?(遂行機能や注意の配分、半側無視など)
D数日にわたって行う場合の手続きの定着は?(学習能力や記銘力など)
Eスムーズに動かせるかどうか?(失認や半側無視、目と手の協応、作業の予測など)
これらを元に他のテストバッテリーで精査したり、課題を通して失敗しない方法を検討します。
少し応用的な使い方としては、「動かす色の順番を決める」「動かす数を決める」などの複数の手続きを組合せて難易度を上げます。
<その他>
使い方
レクリエーション的な使い方になるかと思います。
しかし、認知や目と手の協応に障害で、「つかんだものを離せなくなる(分離運動の障害や抑制の困難など)」「目標物への目測ができない(失認や協応運動の障害)」となる方がいます。
机上だけではない、これらのダイナミックな動きを通した認知面へのアプローチも重要なことと思われます。